は?

たまには一人よがりなことも書いてみようかなって気になって、色々考えた結果、この季節になると思い出すことをネタにしてみる。リアルでのお話。

この話がどんな方向になるかっていうと、俺の中で何とも煮えきれない結果となってしまったことについて。長いんで興味ない人はスルーで。

はじまりの合図

俺がまだ大学に入って何年も経ってないころ。何か新しいことをしたいなぁという欲求に駆られていた。そんなとき、願ってもないチャンスが来た。地元の友達(A君)から「バンドをやらないか」と誘われたのだ。ちょうど大学の軽音部に入部した別の友人の話を聞いてて、バンドもいいなぁと羨ましく思っていた。A君の話では、中学時代の友人を誘って、コピバンをやろうということだった。前々から俺はドラムをやってみたかった。それを伝えると快くOKしてくれた。昔からの気の合う友達同士なら、バンドもうまくいくだろうと思っていた。

しかしメンバー集めがうまくいかない。中学時代の友達も、道外へ行っていたり、あるいは行方不明だったり。結局友達のそのまた友達…といった具合に、知らない人が入ってきた。しかもなぜかギター弾ける奴がいないってことで、中学のときやってた俺が担当することに。早くもドラマーの夢は消えた。

そんなこんなを続けて数週間、A君がキーボード弾ける奴を見つけたらしい。A君の構想では、キーボードは絶対必要なようなので、俺も了承。これでメンバーはとりあえず揃ったし、一度顔合わせということで焼肉でも食いに行こうという話になった。

初顔合わせ

顔合わせの日。A君と俺でメンバーを迎えに。話には聞いていたが、会ってみると良さそうな奴ばかり。うん、これはおもしろくなりそうだと期待が膨らんでいた。「よし、じゃああとはキーボードの奴だけだ」となって、A君が初めて言った。「実はキーボードって女の子なんだよね」

女。その子以外は男。このメンバーでバンド。リーチですよねもう。そんなメンバーでバンドやろうもんなら、何かしら男女のあれが起こらないわけがない。確かに紅一点、女が一人いれば楽しくなりそうなのはわかる。しかし、本気でバンドを続けたいなら避けた方が良い。しかしA君の心中ではもう覚悟が決まっているらしく、キーボード出来る男を探すのも大変だろうし、特に難癖付けずに「へぇ」とだけ答えた。

その女(B子)はOLで、会社帰りに俺らに合流するとのことなので、てっきりいい年こいてヴィジュアル系好きなメンヘラキチガイがやってくるのかーと思っていたら、背のちっこい可愛らしい女の子が来た。歳は俺とタメ。顔も悪くない。あーこりゃ、出会い厨だなと確信した。

家の近くの焼き肉屋へやって来た。A君とB子は面識があるので結構仲良く話している。俺とその他のメンバーは、まだ会って間もないので"なぁなぁ"で。ちょっと不安だったけど、実質リーダーであるA君だったら、B子とそういう仲になったとしても誰も文句は言わないか。俺はただバンドがやりたいのである。とりあえず結成して即解散ってことにさえならなければ、俺としては満足だ。何となく気楽になってきてメシも酒も旨い。最後にA君が言った。「じゃ今日は初顔合わせってことで、メシ代は自分と(俺)が払うから!」え?

活動

何度か会って練習したり、打ち合わせしたり。何となくではあるが、俺が当初描いていたバンド活動が実現し始めていた。この頃、俺はA君と同じバイトをやっていた。バイトが終わると一緒に地下鉄に乗って、二人でバンドの今後について話し合ったもんだ。地下鉄を降りて、A君がケータイを見るとB子から着信があったらしい。「そっちも順調なんだねぇ」とは言わないものの、笑顔を隠しきれていないA君が電話するのを横目に、公園のベンチでタバコをふかしていた。

「あ、(俺)?今隣にいるよ、かわるね」A君がそう言って俺にケータイを渡した。俺に何か手伝わせる気かね、と思い電話に出てみると違う話。今度俺の大学の学祭に行くから、案内してとのこと。しかも、B子は俺が昔入っていたサークルの子(C子)と友達で、そのC子も連れてくるらしい。そのサークル、俺が女つくっちゃってぐだぐだになって辞めちゃったんだよね。C子とはあまり面識ないけど、サークルの人の話とかも聞きたいしなぁと思ってOKした。なぜかすんごい喜んでた。

何かがおかしい

それから数週間経って、またA君とのバイト帰り。B子の話になった。なんでも、B子がC子伝いに、俺が付き合っていたサークルの女と仲良くなっているらしい。つまり、B子とC子と元カノで遊んでいるらしい。何なのこの女は。これから仲良くバンドやっていこうと思っている中、俺の過去にちょっかい出すわけですか。俺と昔付き合ってたその女、思い出したくもないくらいドロドロなあれだった。そういった経験から、俺は"少人数グループの中で女とそういう関係にならない"と決めている。バンドに女が入るのを嫌がっていたのも、それが理由の一つだ。不穏な動きが怖かったので、「俺、学祭行かないってB子に言っておいて」とA君に伝えた。

やっぱりおかしい

大学祭が終わった頃。俺が大学を案内するって話を理由無く断ったせいか、B子から一切連絡は来てない。俺自身忙しい時期で、バンドメンバーともなかなか会っていない。唯一、A君とバイトで会うだけ。その日もA君から話を聞いた。学祭の日、突然B子から電話が来てA君が呼ばれたらしい。A君は俺の大学を知らない。まぁ案内というわけでもなく、ただ暇だったから呼んだようなのだが。A君が待ち合わせ場所に着くと、そこにB子とC子と俺の元カノがいたらしい。A君と元カノは一応顔見知り。祭りをある程度回って、女3人でカラオケへ消えてったとのこと。どんだけー。俺の元カノと一緒に、俺の大学に来てるんですよ。これで俺の話をしないわけがないじゃない。絶対俺の昔話とかしてるに決まってる。

おせっかい

それからまた数日経って、B子からようやくメールが来た。内容としては「A君から聞いたけど、私が(俺)君の元カノと遊んでることに怒ってる?私は別に変な気はなくて、ただ元カノちゃんが楽しいから遊んでるだけ」ということ。もちろん俺はガン無視。バンドを組む前まで俺の元カノ全く知らなかったくせに、何言ってんだこいつ。

翌日。変な人からメール来た。C子。俺と元カノがいたサークルの子。B子と仲の良い子。しかし俺はあまり話したことがない。もちろんメルアドを教えたこともない。「B子が(俺)君から返事が来ないと電話で泣いてました。返事してあげて下さい」文面もこんな感じ。丁寧語で。あれー、俺がなんか悪者になってる?嫌な臭いがしたので、仕方なくB子にメールしてやった。「俺は怒ってないよ。ただ、B子ちゃんが俺の元カノと最近仲良くし始めてるって聞くと、変なこと言われてるんじゃないかって疑っちゃうよね?俺はバンドを続けたいし、これからは仲良くしていこう」と適当に返した。C子には「友達思いで素晴らしいね。よく俺のメルアド調べたね」と嫌みたっぷりの返事をしたが、「そうなんです。高校から仲が良くて」と返ってきた。こいつぁ馬鹿だ。

B子から返ってきた返事。「ごめんね。私、(俺)君のこと考えてなかった。そうだよね、(俺)君と元カノちゃんは…。これからは私と仲良くして下さい。仲直りってことで今度飲みに行こうね^〜^」という感じ。ちゃっかり俺と元カノとの話は聞いてるのね、やっぱりだ。で、おごるから飲みに行こうと誘われた。これ断ったらまた面倒なことになるよなーと思って、空いてる日を伝えた。

終わりのはじまり

B子と仲直り会。適当な店入って飲んだ。とりあえずB子の機嫌をうかがいつつ、なんで俺の元カノと絡んでるのか聞きだそうという魂胆だ。最初こそ警戒しまくってた俺だけど、酒が入るとどうでも良くなってくるのが俺の欠点。結局B子も楽しそうにしてるし、ここでお茶を濁すように問い詰めない方がいいか、と。あれよあれよと口車に乗せられて、カラオケへ行った。

そのカラオケにて。最初は普通に歌ってたんだけど…、まぁそういう雰囲気になって、迫られたのだよ。「It's time to choose」ってオッサンの声が聞こえた気がした。いえいえ僕はそんな気はござーません。あくまで向こうから。これですか、フラグ回収ってやつは。結局俺の元カノとどうこうっていうのも、つまるところこれだったわけかと。もちろん言ってやった。「なんなの?仲直りじゃなかったの?バンドどうなるの?」って。B子は「いいの」と言う。はい終了。もうどっちに転んだってバンドは終わりだね。やったったさ。

おしまい

B子とその関係がしばらく続いた。バンドはというと、他のメンバーのやる気が無くなってきて自然消滅に近い状態。もちろん俺はA君以外のメンバーに、B子のことは言ってない。俺としたら、どうせ終わるんなら俺が原因で終わりたくないし、どうぞ勝手に終わってください、という状態。

ある日、B子から話したいことがあると言われた。いまさら元カノのこと聞かれるのーと思ったらそうではなく、「私たちってどんな関係?」と。「友達?」と答えた。そう答えるしかないべさ。付き合ってるわけでもないし。「今までごめんね。もうチューとかしないから」って返ってきた。最後の一文で吹いた。

コント

これで終われば良かったんだけど、どうしても気になっちゃって、ほぼ1年ぶりに元カノに、恐る恐る電話してみた。「おまえ、B子に何か言ったの?」「あんたが困るようなことは言ってない」だってさ。俺が好きだってことは聞いてたらしい。でも元カノも、B子が急に自分と仲良くしてくるようになったのを不思議に思ってたんだと。いや不思議っていうかそれ、狙いが見え見えでしょ。異議あり

まぁでもいいや。どうせバンドも終わりだし。いくら裏で言われようが関係ないし。そんなことを思ってたら、B子からメールが来た。「やっぱり(俺)君は元カノちゃんのことがまだ好きなのに、私で遊んでたんだね。私の知らないところで、二人で連絡取り合ってたんだね。もう会えません。さよなら」って。茶番ぞ。なんで俺がふられた感じになってるの。連絡取り合ってたっつーか、つい数十分前、1年ぶりに声聞いたんですけど。

ここまで言われるのは心外だ!ってことでB子に電話してみたが出ない。意味わかんないっす。もう自分、わかんないっす。仕方なしにまた元カノに電話する。「おい、俺がおまえに電話したこととかも逐一B子に報告しとるんか」「いや、さっき『(俺)君にふられた〜』って泣いて電話きたんだよ(笑)」そこ笑うとこじゃない。この状況を一番楽しんでるのは間違いなくこいつだ。「『私で遊んでた』言われたわ」「遊んでたんでしょ(笑)」


そんなB子も、今でも元カノと仲良くやってるらしく、俺の悪口を言って幸せな生活を送ってるそうです。