はじめての二郎

東京旅行中、ラーメン二郎行ってきました。ラーメン好きとして、前々から行きたかったんですよね。Peercastでも頻繁にネタにされてますし。アキバへ買い物に行く予定もあったので、昨年オープンしたという二郎インスパイアの店、らーめん大二郎に行こうかと思ったんですが、昨年末に閉店したようで。仕方なく泊まったホテル近くの品川店行ってきました。(※Yossyさんによると別の店が出来ているそうです)


品川駅から歩いて15分(迷わなければ10分もかからないはず)、昼休みなのかリーマンが飲食店や弁当屋に列を作っています。が、二郎にはさらに多く(20人近く)並んでいました。11時過ぎです。ちょっと早いかな〜なんて思ってたんですけど。ネットで調べたら、食券販売機が外にあるのでそれを買ってから並ぶ、なんてルールがあると読みましたが、これだけ並んでいるとそうもいかず、列が販売機の横まで進んだら買うようです。

結局40分くらい並んで入店。僕は普通盛り(小)に煮卵をつけて800円だったかな。汚く窮屈な席につき、食券をカウンターへ。店員は2人のコワモテのおっちゃん。店内にはラーメンをすする音だけが響きます。並んでいるときは、同僚と一緒に来ているリーマンがベラベラしゃべってましたが、一度店内に入るとその空気に押し込まれてしまいます。ラーメンを待つ人たちは一言もしゃべらず、ケータイをいじるわけでもなく、ただカウンター越しの店員の様子を伺っています。この殺伐とした空気が、やはり二郎なんだなと思いました。

ある程度ネットで予習していたんですが、二郎では食券を渡してラーメンが出されるとトッピングを注文します。しかしこのトッピングがくせ者。注文の仕方からそのタイミングまで、二郎初心者にはわかりにくいシステムになっています。トッピングは野菜(マシ)、ニンニク、脂、カラメがあります。「マシ」は野菜増量を表していて、店舗によっては通じなかったり、「ダブル」「トリプル」「タワー」なんていう別の言い方もあるよう。品川店では「野菜カラメ」の客が多かったです。僕は食べきれるかどうかもわからないので、増量はやめておこうと思っていました。おっさん客ばかりだし、少しでも野菜多くとろうとする人が多いのかな、ぐらいにしか思ってませんでした。

数分後、目の前のカウンターに丼が置かれました。店の人がこっちを見ています。その日はもう札幌に帰るだけだったので「ニンニクで」と一言。あー怖かったw 「トッピングどうします?」とか「ニンニク入れます?」とか聞かれる店舗もあるようですが、品川店はそんな悠長な受け答えはないようw そしてようやく戦いが始まります。

まず丼を見て。ごっそり盛った画像をどこかで見たことがあったので、実際はそうでもないなぁと思いました。これくらいなら余裕でいけるな、と。スープを一口飲んで。うん、まずまず。野菜の下から麺を引っ張り出して。太っ!うどんかと思うくらいw 明らかにラーメンではない、けどそれなりに旨い。

二郎では野菜は後に残しておいて、麺から食べていかないとスープを吸ってやばいことになる、なんて聞いていたのでそれを実践。麺を半分くらい食べたところで気付きます。「いや半分も食ってねぇ、4分の1がいいとこだ…」野菜の下にはかなり麺がありました。食っても食っても、ほじくり返せば麺がごっそりとあります。食べ続けるうちに一口目の味とも変わってきます。「こんなんラーメンじゃねぇ、二郎という怪物だ」どこかで見たセリフを思い出します。量的にはまだ大丈夫なんです。ただこの極太の麺が食べるスピードを奪います。

「嗚呼、私はこの見知らぬ土地で、二郎という怪物に食われてしまうのか」そう思いました。「残す」という選択肢が頭をかすめていきます。しかしマナー的には当然として、まだ麺が残っている丼をカウンターに置く勇気はありません。とりあえず野菜を。…あれ、野菜うまいじゃん。胃の中でうごめく極太麺にとって、野菜は胃薬のようなものでした。唯一のオアシス、それが二郎の野菜。まだいけるとペースを取り戻しました。

結局何とか完食はできました。しかし食べているときは「もう二郎なんて来るものか」と思うものです。野菜がなければ、僕の命はそこで尽きていたでしょう。注文時に「野菜」と頼む客が多かったのも今なら頷けます。「ごちそうさまでした」と、麺に吸われて少なくなったスープだけの丼をカウンターへ。これで僕の戦いが終わりました。

店を出るとまだまだ行列ができていました。驚くことに、細身の女性2人も並んでいました。こんな世の中おかしいです。


さて、あれから数日経ってこのエントリを書いているのですが妙なことが。何というか、また二郎に行きたいという気持ちが湧いています。なぜでしょう。僕はあそこで死にかけたというのに。怖いもの見たさというか、本当はもっと余裕を持って完食できるのではないだろうかとか、野菜やカラメだと旨いのではないかとか。今度行く機会があれば別の店舗に挑戦したいと思います。